確定拠出型年金はだれのため>


ここ数日の間に動きのあった"確定拠出型年金"いわゆる日本版401kといわれて
いるものですが、どうしてこんなに話題になるのでしょうか?
似たような制度のものに”財形”とかもあり、最近は株式の組み入れているもののある
ので、安定的なものだけでなく運用されているのに・・・とか思われている方もいらっし
ゃるでしょう。その背景にはどんなことがあるのでしょうか?わかりやすいところでは、
日本の従来の年金方式であった確定給付型の将来への不安があるのですが・・・。

近年の運用成果の不振から、約束した運用をおこなえずいわゆる逆ザヤ現象が 発生
しているためにいくつかの生保が破綻を起こしたり、破綻していない生保に
ついても苦
しい状態が続いています。(個人年金など中心とした商品)

また最近は、
週刊誌などのマスコミをはじめとして新聞、テレビなどでも年金の不安に
ついて数多く取り上げられ
たことから大衆の心理は将来の確定給付型年金に対しての
不信感となり、かたや
好景気なアメリカの要因の一つとしてあげられている401Kという
確定拠出型
年金の導入による株式市場の活況とあわさって、確定拠出型年金の導入は
日本の景気回復の切り札のような感じで取り上げられています。


実はこの確定拠出型年金導入についての話題はいくつかの話題が混在して現在のよう
な形になってきて
いますので、そのそれぞれについてある程度知識を持ちあわせていな
いと、ただで
さえわからない年金がますますわからなくなってしまうので、少しその背景
なども
あわせて述べていきたいとおもいます、

****確定拠出型年金をなぜ導入したいか?****

なぜなのでしょうか?いくつかの理由があるので複雑になっています。また表立っていえ
ないようなこともありますので、なんか煮えきらないように聞こえてきますが、整理してみま
しょう。

理由1)企業会計基準の変更

これがメインだと思うのですが、その内容がよくわからないことと、表面上は従業員でなく
事業主のためであることが、確定拠出型年金があたかも"福利厚生 のために実施する”という
ことと反して見えてしまうのであまり表にはでてこないのですが私としては、これが
最大の理由
と考えています。


西暦2000年より企業会計が変更になります。いわゆる"グローバルスタンダード化する
という
ことです。IAS19という国際会計基準により企業の評価を行なうことと
しています。
この会計基準の3つの大きな柱が
1)連結キャッシュフロー計算
2)時価会計
3)オンバランス処理
です。

ここで問題となるのが3)のオンバランス処理です。その中に”退職給付債務”のオンバランス化
が含まれます。簡単にいえば
"将来払う予定の年金について
今の価値で評価していくらになるのか。そしてその額を会社の負債
側に計上しなさいと"いうものなのです。


今までの日本の企業会計上ではそれににたようなものについては"退職給与引当金"というものが
ありましたが、
どちらの勘定科目になるか等で大きく異なるところがあります。今度導入される金額
についてはかなりおおきな
金額を予想していることもあります。
さてどうしてこれが確定拠出型年金と関係してくるのでしょうか?


"将来払う…"というところがポイントです。
簡単にいうと確定拠出型年金の場合は確定給付型と異なり、負債勘定と
なりません。
企業側にとっては確定給付を廃止して、確定拠出に移行するなどすると、いわゆる退職給付債務
(PBO)というものが計上されなくなり、バランスシート上できれいになると考えられます。それで
確定拠出型年金を
導入したいという企業が増えてきているのです。

理由2)公的年金の性質変更

ご存知のように急速な高齢化社会になりつつある日本にとって、公的年金の将来は明るいものでは
ありません。若い世代にとっては"負担増"か"給付削減"にならざるをえない状況になっています。国
民年金への加入も滞納者が多いのも、不安な公的年金への大衆の意見の反映とも考えられます。
正直者が馬鹿をみるような制度はやはり問題があるのでしょうね。
こういう公的年金についてはいずれ"公的扶助"という形で"生活保護"と同じレベルにまで給付ダウン
をさせその財源は税によることとするのがよいかと考えていますが、どうなるでしょうか

(余談ですが・・・こういう意見は10年ほどから思っているのですが、前にそんなことをいっていたら
"官庁から情報が来なくなるからめっそうなことを言うものではない。以前某生保がそれでたいへん
なことになった"と今はなくなった会社のボスにいわれたことがありました。)

給付のリスクを国民に委ねることにしようという"自己責任の原則"を推進していこうということなので
しょうね。


理由3)景気回復への期待

アメリカはすでに導入されている確定拠出型年金ですが、現在のアメリカの好景気の要因の1つとして
あげられているので導入したい政治家の方も折られるのでしょう。
アメリカにしても全部の年金が確定拠出というわけでもないのですが話題性もあり確定拠出型年金ばか
りがめだっているようです。たしかに今まで株など購入しなかった人達が株や投信を購入することにもな
るわけですから、多少の期待はしてもよいとはおもいますが、果たして日本にはどうでしょうか?


アメリカの繁栄は投資していた研究開発が商品化されてきたりしたことも大きな要因だとおもいますが。
また貯蓄に対する国民性の違いもあります。
日本に比べ、アメリカの貯蓄率はとても低いと聞いています。前回のバブル崩壊の傷痕がまだいえて
いない人も多いので、どれだけ期待にそった購入をしてくれるか?というところです。


以上3点ほど確定拠出型年金の導入をすすめたい理由として想像できるものをあげておきました。
本業は別の仕事のため内容的にも文章的にも未熟なものですが、世の中の解説書では難しいのも
多いのでこれぐらい簡単なものでいかがでしょうか?(早く掲載したいこともありましたし)

まあ従業員側としましては、会社側と協力して制度導入を推進して、”自分自身が不利にならない”形で
将来につながるようにすればよいのではないでしょうか?
以前に導入の問題点のような文章を掲載していたことがありますので、興味のある方はご覧ください。

次回は”401k あなたは買いますか?買いませんか?”というような文章を掲載する予定であります。